JUGEMテーマ:山行記録

「いい山」という噂は聞いていたものの、松山近郊の低山ということもあって今まで後回しになっていた皿ヶ嶺。
驚くほど涼しい風穴の冷気やギンバイソウの群生、青空が広がる竜神平など思っていた以上に趣があって雰囲気のよい森だった。

竜神平
<竜神平>

三嶺さんぽ通信

■行先・位地
皿ヶ嶺(標高点 [・1278] 1278m)
愛媛県上浮穴郡久万高原町/北緯33度42分55秒・東経132度53分43秒
皿ヶ嶺三角点(二等三角点 [行長] 1270.7m)
愛媛県上浮穴郡久万高原町/北緯33度43分03秒・東経132度53分40秒
■(*)コースタイム
駐車場 10:36(6分)→ 風穴 10:42/10:47(2分)→ 遊歩道分岐 10:49(9分)→ 十字峠・龍神平分岐 10:58/11:00(17分)→ ベンチ 11:17/11:18(8分)→ 上林峠コース分岐 11:26(4分)→ 龍神平分岐 11:30/11:31(1分)→ 龍神平(龍神平小屋)11:32/11:39(3分)→ 畑野川コース分岐 11:42(16分)→ 皿ヶ嶺 10:58(昼食)/12:35(4分)→ 三角点 12:39/12:40(5分)→ 十字峠 12:45/12:49(12分)→ 龍神平分岐 13:01/13:02(3分)→上林峠コース分岐 13:05(12分)→ ベンチ 13:17(14分)→ 十字峠・龍神平分岐 13:31/13:32(8分)→ 遊歩道分岐 13:40(13分)→ 駐車場 13:53
【往路 1時間06分 復路 1時間11分 計 2時間18分】
*コースタイムポイント(/あり)での休憩時間は含まない
■コース水平距離 6.6km
■天気 晴れ
■楽しさ ★★★★★(満点!)

皿ヶ嶺マップ 皿ヶ嶺プロファイル
上林森林公園の風穴駐車場を起点に竜神平から山頂までの一部周回で往復。
【水平距離6.601km 沿面距離6.720km/累積標高差(+)465m (-)434m】

水の元流しそうめん
途中にある「水の元(そうめん流し)」は想像以上に混雑していた。
そうめんは、別に流さなくてもいいけどねー。

上林森林公園
松山自動車道川内ICから県道23号・県道209号、そして上林街道と呼ばれる林道?を通って車で15km。
時間にして20分少々で上林森林公園の駐車場に着いた。

上林森林公園
意外と車が多い。
登山者も多いのか?

上林森林公園 風穴
駐車場の先にある遊歩道は「風穴」の入口で、皿ヶ峰の登山口でもある。

風穴
上林森林公園には、風穴(かざあな)と呼ばれる岩穴があった。
四季を通じて岩の隙間から冷気を吹き出していて、吹き出し口の温度は15℃程度ということだ。
驚きの涼しさ!

風穴
石積みの穴の中では、冷気を利用して「ヒマラヤの青いケシ(メコノプシス・グランディス)」が栽培されている。

風穴
写真ではよく分からないが、上部の岩の隙間からも冷蔵庫を開けたときのような白い冷気が噴出してくる!
空気が出るということは、どこかに入口があるはずだ。
山のどこか(岩石が堆積する場所など)から入った空気が地中で冷やされて下方の穴から流れ出るというイメージだろうか?
山の北斜面を通る中央構造線との関係もあるかも知れない。
(風穴は、傾斜が急な皿ヶ嶺北斜面の下部にある)

皿ヶ嶺登山口
風穴でしばらく涼みたいところだが、遊歩道に戻って皿ヶ峰へ向かう。

皿ヶ嶺登山道
森林公園を周回する遊歩道を離れて右折。

ギンバイソウ
ギンバイソウ(銀梅草)は、ユキノシタ科ギンバイソウ属の多年草。
本州(関東以西)・四国・九州の山地の木陰に生える。
アジサイに似た葉の先は2つに割れている。

ギンバイソウ
5枚の花弁を持つ花が、梅のように見えるギンバイソウの花。

龍神平・十字峠分岐
「竜神平経由 皿ヶ嶺」「十字峠経由 皿ヶ嶺」の道標。
よく分からないが、分岐を左に折れて竜神平方面へ。
登山道は、ここからしばらく東向きに続いている。
(地形図を見ると十字峠へは急登で、荒れているらしい。)

皿ヶ嶺登山道
ずっーと向こうまで、ギンバイソウだらけ!

ウバユリ クサアジサイ
ウバユリ(姥百合)は、ユリ科ウバユリ属の多年草。
分布域はギンバイソウとほぼ同じ。
名前も姿もあまり好みではない。

クサアジサイ(草紫陽花)は、ユキノシタ科クサアジサイ属の多年草。
本州(東北南部以西)四国・九州に分布し、半日陰で湿り気のある林縁などに生える。

ハガクレツリフネ
ハガクレツリフネ(葉隠釣舟)は、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草。
日本固有種で本州(紀伊半島)・四国・九州(中南部)に分布、山地の半日陰になる湿った林縁に自生している。
中央構造線の南側に分布する「ソハヤキ要素」の植物の1つ。
葉の下に隠れるように咲く釣舟草ということで牧野富太郎博士が命名した。

ギンバイソウ
行く先々にギンバイソウの群生。

皿ヶ嶺
爽快な青空と緑!

皿ヶ嶺ベンチ
等高線が詰まった斜面を、西から東に登りきったらベンチがあった。
傾斜のきつく陽当たりの悪い北斜面を登りきると、ギンバイソウは見られなくなった。
風穴周辺の涼しい木陰が好みのようだ。

皿ヶ嶺
いい感じのブナ林。

上林峠分岐
上林峠コースとの分岐を右に折れて竜神平方面へ。
「← 風穴 上林峠 →」「竜神平 →」の道標あり。

皿ヶ嶺
なだらかなササ原とヒノキの人工林。

龍神平分岐
龍神平の手前に皿ヶ嶺周辺案内図と山頂への分岐があった。
とりあえず竜神平を見ていこう。

龍神平小屋
分岐のすぐ先に愛媛大学山岳会の竜神平小屋が建っていた。
けっこう大勢の家族連れがハイキングに来ている!

龍神平小屋
小屋は、築50周年を迎えた2010年にリニューアルされている。
入って左手は雑魚寝ができる板張りの2段で、右側にテーブルがある。
少人数で泊まって「お客」をするのにちょうどいい。

龍神平
小屋の前からみる竜神平。

龍神平
空が広く感じる「お皿」のような不思議な空間。
子どもが昆虫採集している。

龍神平
竜神平の湿原は、ススキやササが入り込み乾燥化が進んでいるという。

竜神平
ハンカイソウ(樊かい草)は、キク科メタカラコウ属の多年草。
本州(静岡県以西)・四国・九州に分布、湿原の周辺や湿った草地に生える。
花はメタカラコウよりマルバダケブキに似ている感じ。

龍神平
小屋近くのベンチセットの左にも山頂を示す道標があったので、時計回りに登ってみることにした。

畑野川分岐
竜神平から南に向かって100mほどで、畑野川へのコースを左に見送る。

皿ヶ嶺
竜神平から400mほどで登山道が西向きに折れ、三角点東側の尾根を登る。
反時計回り?の登山者が下ってくる。

皿ヶ嶺
三角点直下で再び南に折れて、心地よい登山道を緩やかに登る。

皿ヶ嶺
11時58分、駐車場から1時間22分(風穴見物・休憩含む)で山頂に着いた。
山頂の位置は、久万高原町。

皿ヶ嶺
山頂部分は南北に細長く、東温市側から見ると手前に三角点(1270.7m)、300mほど奥に山頂(標高点・1278m)という配置になっている。
竜神平から山頂までは直線距離で700mほどだ。

オールフリー
オールフリーとおにぎりで軽い昼食。

皿ヶ嶺
賑わう山頂をあとにして竜神峠への周回コース(右から来たので左)へ入る。

皿ヶ嶺三角点
フラットな山頂部分を十字峠(東温市)方面へ300mほど進むと、登山道沿いの草むらに三角点があった。

皿ヶ嶺三角点 皿ヶ嶺三角点
<基準点の概要>
●基準点コード:TR25032476101
●等級種別:二等三角点
●冠字選点番号:古3
●基準点名:行長
●標高:1270.7m
山頂より7mほど低い。

十字峠分岐
十字峠で引地山(1027.0m)と山頂方面を結ぶ尾根ルート、竜神平方面と六部堂方面の双方へ下るルートがクロスしている。
「← 六部堂 竜神平 →」「← 引地山 皿ヶ嶺山頂→」の道標が立っている。
右のもう1本は「六部堂」がないだけで後は同じ。
今回は竜神峠(右)へ戻る。

皿ヶ嶺
広葉樹とササ原がいい感じの森。

皿ヶ嶺
登山道から少し出た岩の上から、東温市と松山市にかけての市街地が見える。

竜神平分岐
竜神平の分岐に出た。

皿ヶ嶺
2人で踊っているように見えない?

皿ヶ嶺
竜神平の分岐を左折して元の道を引き返す。

皿ヶ嶺
ブナ ブナ ブナの〜原生林〜♪
知る人ぞ知るのフレーズ (^^;)

クサアジサイ ハガクレツリフネ
午後になって登山道に木漏れ日が差してきたので、花をもう一度。

ギンバイソウ
ピンクと白でちょっと艶やかなギンバイソウ。

ギンバイソウ
両性花の花片は6枚のものもある。

ハナイカダ
ハナイカダ(花筏)は、ミズキ科ハナイカダ属の落葉低木。
春、葉っぱの真ん中に花を咲かせ、夏に同じ場所に黒っぽい実をつける。
和名は、葉の中央につく花を、「筏に人が乗った姿」に見立てたもの。
熟した果実は甘味があるのでそのままで、若葉は山菜のように天ぷらや茹でて食べることができる。

キバナノショウキラン
「おおっー!」「ショウキランだ!」
「しかもキバナ!」
キバナノショウキラン(黄花の鍾馗蘭)は、ラン科ショウキラン属の多年草。
本州(関東以西〜紀伊半島)・四国・九州に分布し、山地の落葉樹林下など比較的日当たりが悪い場所に極めて稀に生える腐生植物。

キバナノショウキラン
先週、上高地で見たショウキランの黄色(地味)バージョンだ!
レッドデータブック 環境省カテゴリー 絶滅危惧IB類(EN)
葉緑体を持たず菌類に寄生する腐生植物(菌根植物)なので移植は難しい。
キバナに出会えてちょっとうれしい (^o^)

上林森林公園
風穴の上の分岐から遊歩道を右(風穴の反対方向)に下ってみた。

ヤマアジサイ ヤマアジサイ
「???」「これ何だ?」

ヤマアジサイ
答えはヤマアジサイ。

キツネノカミソリ キツネノカミソリ
キツネノカミソリ(狐の剃刀)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。
なんとなく薄暗いところに咲いているイメージを持っている。

上林森林公園
ちょっと下り過ぎるような感じ・・・

上林森林公園
駐車場の下の道路へ出た。
来る時は向こうから来て左に曲がった。

上林森林公園
駐車場に下山完了!
風穴、ギンバイソウ、竜神平、キバナノショウキランなど、いいものを見せてもらった。
低山だけど、「星3つ(★★★)です!」
とりあえず、どこかで汗を流したい。

皿ヶ嶺
麓の上林(高智集落付近)から見上げる皿ヶ嶺。
中央付近の平らな所が竜神平、右寄りの少し高い所が山頂部分になるようだ。
手前が三角点で奥に山頂がある。
(松山道からみると山容が分かりやすい)

さくらの湯
道路地図で見つけた、さくらの湯(東温市ふるさと交流館)へ寄ってみた。

さくらの湯 さくらの湯
入浴料金は、大人(中学生以上)410円。
シャンプーセットが別売り(100円)なので持って行くとよい。
地元の方の利用が多い感じだけど、いい湯だった。

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