- 2015.06.18 Thursday
石立山 2015.6.6
JUGEMテーマ:山行記録
四国一厳しいと言われる石立山が、この時期つかの間の賑わいを見せる。
石灰岩地特有の地質が近隣の山とは異なる植生を育み、固有種のイシダテクサタチバナをはじめ、数多くの花が開花するからだ。
<石立山山頂>
■行先・位置
石立山(二等三角点 [石立山] 1,707.7m)
高知県香美市・徳島県那賀町/北緯33度47分5秒・東経134度3分18秒
■コースタイム
もみじ茶屋駐車場 9:32(4分)→ 登山口 9:36(26分)→ 竜頭谷 10:02(25分)→ ガメラ石 10:27(19分)→ 岩場 10:46/10:51(37分)→ イシダテクサタチバナ 11:28/11:38(3分)→ イシダテクサタチバナ 11:41/11:51(11分)→ 西峰 12:02(11分)→ 石立山 12:13(昼食)/12:38(9分)→ 西峰 12:47(4分)→ 捨身ヶ嶽 12:51/12:56(12分)→ 植物観察 13:08/13:38(9分)→ 登山道合流 13:47(30分)→ 岩場 14:17(8分)→ ガメラ石 14:25(16分)→ 竜頭谷 14:41(19分)→ 登山口 15:00(2分)→ もみじ茶屋駐車場 15:02
(行き 2時間16分 帰り 1時間49分 計 4時間05分)
■コース水平距離 9.2km(駐車場からの往復)
■天気 晴れ
■楽しさ ★★★★★(満点!)
山頂までの片道水平距離が3.7kmで累積標高差1300mと急峻。
【水平距離9.179km 沿面距離9.865km/累積標高差(+)1449m (-)1424m】
9時過ぎに「べふ峡もみじ茶屋」の駐車場に着くと、なんと、車が8台(手前に2台、自車除く)も!
2〜3台は来ているだろうと思ったけど、こんなに賑わうことは珍しい。
一番近いはずの自分が一番後ということか?
紅葉シーズンに営業する「もみじ茶屋」の先の吊橋「錦帯橋」を渡って、竜頭山の支尾根に取り付く。
カタツムリの道標を通過して、支尾根から右に少し下ると竜頭谷。
この尾根の真上(真北)が、4月11日に登った竜頭山山頂だ。
おそらく、この尾根にも竜頭山へのルートがあるだろうと感じている。
竜頭谷を右岸(竜頭山側)から左岸(石立山側)へ渡って、石灰岩の小石が散らばるザレた斜面を登る。
斜面を登りきった後は尾根通しの急登が連続する。
ヤマツツジ(山躑躅)は、ツツジ科ツツジ属の半落葉低木で北海道南部から九州まで広く分布している。
オンツツジがマゼンタが混じった淡い赤に雄しべが10本なのに対し、ヤマツツジは朱が強い赤で雄しべが5本という違いがある。
石灰岩が侵食されてできたガメラ石。
あまり大きな岩ではないけど、不思議な削れ方だ。
岩場(標高1,220m)は、コース上のほぼ中間地点。
岩場から北西方向、竜頭山の奧に白髪山(2枚合成)
ビャクシンの痩せ尾根も、左右はあまり高くないので緊張感はない。
ヒメキリンソウ(姫黄輪草)は、ベンケイソウ科キリンソウ属の多年草で四国(香川県を除く)の固有種。
高知県レッドデータ 絶滅危惧II類(VU)
環境省レッドデータ 絶滅危惧IB類(EN)
赤い葯がアクセントになっている。
一人だけどフタリシズカ (^^;)
フタリシズカ(二人静)は、センリョウ科センリョウ属の多年草。
石立山にはヒトリシズカも自生していて、そっちは葉に光沢があって花がブラシ状になるので見分けがつく。
ギンリョウソウ(銀竜草)は、腐植土の上に生える腐生植物。
全体に白く透けていて葉緑素を持たないので、菌類と共生して栄養を得ている。
目玉親父が衣をまとったような姿がキノコにも見えるので、ユウレイタケ(幽霊茸)の別名がある。
コツクバネウツギ(小衝羽根空木)は、ツクバネウツギより小さくて、顎片が2〜3枚と少ない。
花の色はクリーム色または黄色で石立山のものは黄色。
イシダテクサタチバナ(石立草橘)は、ガガイモ科カモメヅル属の多年草で、高知県香美市物部町の「別府山国有林(石立山植物群落保護林)」に咲く。
環境省レッドデータ 絶滅危惧II類(VU)に分類されている。
シカの嫌いな植物のようで、シコクブシ(トリカブトの仲間)やバイケイソウのようにシカに食べられている様子はない。
ガガイモ科の植物もアルカロイドを持つものが多いそうだ。
本家「クサタチバナ」との違いは、「花序が茎頂にのみつくこと」や「花片が細長く尖っていること」などと言われている。
ツルキンバイ(蔓金梅)は、バラ科キジムシロ属の多年草で本州(関東以西)・四国・九州の山地に分布する。
細長い匐枝を地上に伸ばし、葉は3小葉で尖った鋸歯がある。
12時02分、駐車場から2時間30分(休憩・写真撮影含む)で西峰に到着。
西峰から本峰までは尾根通しに約500m。
12時13分、西峰から11分で二等三角点の山頂に到着。
山頂には単独の方2人、グループ1組4人。
めったに人に会わない石立山山頂で6人は多い方だ!
10年ほど前まで山頂を覆っていた背の高いスズタケはシカに食い尽くされた。
橘湾の火力発電所まで見えるようになったのはいいのだが・・・
山頂の基準点は、場所情報コード(ucode)・緯度・経度・標高が記録されたICタグ付きのインテリジェント基準点。
<基準点の概要>
●基準点コード:TR25034504401
●等級種別:二等三角点
●冠字選点番号:興22
●基準点名:石立山
●標高:1707.7m
今日の一杯は、山の定番「カップヌードル カレー」
エネルギー:422 kcal、食塩相当量:4.3 g
おなかを満たしたら、とりあえず西峰まで帰ってみよう。
西峰の右(東側)には捨身ヶ嶽と呼ばれる岩尾根。
その右奥にはガスがかかった三嶺。
捨身ヶ嶽の先端まで空荷で歩く登山者。
「わいわいがやがや」
軽〜いスリルを楽しんでいるようだ。
西峰に戻ったら捨身ヶ嶽に行ってみよう!
三点確保(ほどでもないが・・・)で痩せ尾根を下る。
先に行っていた人たちが戻ってくる。
カノコソウ(鹿の子草)は、オミナエシ科カノコソウ属の多年草。
山地の湿った草地にやや稀に生える植物。
光石でも見たことがあるが、めったに見かけない。
イワガサ(岩傘)は、バラ科シモツケ属の落葉低木で本州(近畿地方以西)・四国・九州に分布し、急峻な岩場などに生育する。
イブキシモツケによく似ているが、葉っぱの先が尖らない。
先端でセルフタイマーをセット。
捨身ヶ嶽のコブから、さっきまでいた石立山の「本峰」を望む。
捨身ヶ嶽周辺にもヒメキリンソウが群生していた。
シコクハタザオ(四国旗竿)はアブラナ科ヤマハタザオ属の多年草で、本州(関東以西)・四国・九州に分布する。
フジハタザオの変種と言われ、初夏によく見かけるあまり珍しくない植物。
キバナノコマノツメ(黄花駒爪)は、黄色のスミレ基本3種の1つ。
北海道や本州中部以北と四国・屋久島の高山に分布し、四国では東赤石山など一部のエリアに咲く。
エリマキトカゲみたいだ!
キバナノコマノツメは、他の黄スミレと違って葉が丸いことや唇弁が長く上弁と側弁が上を向いていることなどが特徴。
イワユキノシタ(岩雪下)は、ユキノシタ科イワユキノシタ属の多年草。
本州(東海地方・紀伊半島)・四国に分布し、深山の谷沿いなど、湿った岩上に希に生える。
シライトソウ(白糸草)は、ユリ科シライトソウ属の多年草。
本州(秋田県以南)・四国・九州に分布し、ブラシのような白い花をつける。
ユキワリソウ(雪割草)は、サクラソウ科サクラソウ属の多年草で、本州(関東・中部)・四国・九州の亜高山帯から高山帯の岩場や草地に自生している。
花期は(*1)5〜7月で、雪解けとともに花をつけるので(*2)「雪割草」と呼ばれる。
四国では、石鎚山や東赤石山など標高の高い限られた山域に自生している。
花の色はピンクと白の2色。
*1 北アルプスなど、中部山岳が雪解けの季節を迎える時期
*2 雪割草はキンポウゲ科のミスミソウ、スハマソウの別名にもなっている
苔むした石がゴロゴロする斜面を登山道へ向かう。
方向音痴の人は入らない方が無難かも。
手前のガレ場にはヒメフウロも自生しているが、マムシもいるので要注意!
15時00分ちょうど、登山道合流から1時間13分(休憩含む)で吊橋へ下山。
この日、見かけた登山者は単独が5人、グループが3組10人の計15人。
写真撮影枚数はコンデジが189枚、一眼が118の計307枚!
撮りすぎで整理がつかない!
下山後はすぐ近くの〔べふ峡温泉〕へ。
つるつるするお湯でさっぱり!
小腹が空いたので、温泉内の食堂「三嶺」で、シカドック&シカバーガー。
〔べふ峡温泉〕
高知県香美市物部町別府452-8
TEL:0887-58-4181 FAX:0887-58-4183
E-Mail:befukyouonsen@mopera.net
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- 石立山
- 05:59
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