JUGEMテーマ:山行記録

■ 7月6日(日) 至仏山 ■

登山3日目は、山ノ鼻から高山植物の宝庫 「高天ヶ原コース」 で至仏山に登頂、小至仏山を経て鳩待峠に下山するまで。

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<至仏山頂>

深田久弥はその著書「日本百名山」に、
「燧と至仏は尾瀬ヶ原を挟んで相対しているが、前者の威のある直線的な山容に引きかえ、後者は柔らかな曲線を描いて、何となく親しみ易い。」
と書いている。

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■行先・位置
至仏山 (二等三角点 [至仏山] 2228.1m)
群馬県利根郡みなかみ町・片品村/北緯36度54分13秒・東経139度10分24秒
小至仏山 (標高点 [・2162] 2162m)
群馬県利根郡みなかみ町・片品村/北緯36度53分45秒・東経139度10分18秒
■コースタイム
山の鼻小屋 4:59(1分)→ 山ノ鼻(1399m) 5:00(8分)→ 至仏山登山口(1409m) 5:08(2時間09分)→ 高天ヶ原(2145m) 7:17(22分)→ 至仏山(2149m) 7:39/7:58(41分)→ 小至仏山 8:39/8:55(24分)→ 休憩所 9:19/9:22(3分)→ 笠ヶ岳分岐 9:25(1分)→ オヤマ沢田代(2022m) 9:26(1時間14分)→ 鳩待峠(1591m) 10:40
【登り 2時間40分 下り 2時間23分 計 5時間03分】
※コースタイムに休憩時間は含まない。
■コース水平距離 8.3km(標高差 195m)
■天気 晴れ
■楽しさ ★★★★★(満点!)

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山の鼻小屋から高天ヶ原コースで至仏山に登頂、小至仏山を経て鳩待峠に至る水平距離8.3kmの行程。
【水平距離8.345km 沿面距離8.637km/累積標高差(+)944m (-)749m】

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前日作ってもらった弁当で朝食を済ませ、4時59分に小屋を出発。

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小屋からすぐの分岐を5時ちょうどに通過。

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朝もやの湿原を西へ。 夕べ見た予報は、「曇り/雨」 ぐらいであまり良くなかった。
晴れてくれることを期待したいが・・・。

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登山口は小さな尾根の先端にあった。

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植物の生育を妨げる金属成分が多く含まれる蛇紋岩地のため、根が変形した木が多い。
タニウツギ(谷空木)は、スイカズラ科タニウツギ属の落葉小高木。
淡いピンク色が四国で見られるヤブウツギの赤とはまた違って緑に映える。

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「おぉっ!」
もしかして、「晴れてきたー?」

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「おぉーっ!」
尾瀬ヶ原を覆う雲海と今回の山行で初めて見る燧ケ岳の全容!

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青空の下で見るウラジロヨウラクはまた一段と鮮やか。

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イワイチョウ(岩銀杏 )は、ミツガシワ科イワイチョウ属の多年草
(1属1種)。
北海道・本州(中部以北)の高山の湿原などに自生。

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6時15分、蛇紋岩の岩場に差し掛かった。

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ミヤマダイモンジソウ(大文字草)は、ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草。
北海道・本州(中部以北)の高山の湿った岩場に見られる(日本固有)。
大の字状の花を多数つけ、中心部は黄色またはオレンジ色。
普通のダイモンジソウの花弁は2枚が極端に長いが、ミヤマダイモンジソウはそれほど長くなく5個の花弁の長さが不揃いの場合が多い。

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ジョウシュウアズマギク(上州東菊)は、キク科ムカシヨモギ属の多年草。
本州(至仏山・谷川岳周辺)に分布するミヤマアズマギクの変種。

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6時38分、尾瀬ヶ原の雲海が少しずつ晴れてきた!

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青空に向かって気持ちよく登る。

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オゼソウ(尾瀬草)は、ユリ科オゼソウ属(1属1種)の多年草。
本州(至仏山・谷川岳)と北海道天塩問寒別の蛇紋岩地帯に分布し、テシオソウの別名がある。
昭和4年に至仏山で発見された。
ヨツバシオガマ(四葉塩竈)は、ゴマノハグサ科シオガマギク属の多年草。
高山の湿り気のある草地に生え、葉は茎の節ごとに4枚ずつ輪生する。

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ハクサンイチゲ(白山一華 )は、キンボウゲ科イチリンソウ属の多年草。
本州(中部以北)・北海道の高山帯の草地や岩場に生える。
日本アルプスのお花畑を構成する代表的な高山植物のひとつ。
ジョウシュウキバナノコマノツメ(上州黄花の駒の爪)は、スミレ科スミレ属の多年草で本州(至仏山・谷川岳)に分布する。 キバナノコマノツメの変種で蛇紋岩地に生える。
葉が少し厚めで毛が少ないのが特徴らしいが、違いはよく分からない。

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ユキワリソウ(雪割草)は、サクラソウ科サクラソウ属の多年草。
雪解けとともに花をつけるので雪割草の名がある。

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花片の切れ込みはハクサンコザクラのV型より小さいハート形で岩場に多い。
四国でも石鎚山系や剣山地の一部で見られる。

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クモイイカリソウ(雲居碇草)は、メギ科イカリソウ属の多年草。
本州(早池峰山・至仏山・谷川岳)の特産種で蛇紋岩地に生える。
縁を中心に赤みがかった葉と縁取りもない緑の葉。

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ハクサンイチゲとユキワリソウのお花畑。

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7時04分、雲海が晴れた尾瀬ヶ原に田んぼのような池溏が光っている。
初めて見る尾瀬の絶景!

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7時17分、頂上直下の高天ヶ原と呼ばれる場所まで登ってきた。
雪田ができるなだらかな南東向きの斜面には高山植物が多い。

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高天ヶ原から尾瀬ヶ原を俯瞰する。
周辺にガスが湧いてきた。

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北に目を転じて雪渓の残る越後の山々を望む。

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ホソバヒナウスユキソウ(細葉雛薄雪草)は、キク科ウスユキソウ属の多年草で谷川岳と至仏山の蛇紋岩地の崩壊地や風衝草原に特産する。
ミヤマウスユキソウが蛇紋岩の酸性土壌に適応したための変種といわれ、葉の幅が1〜3mmと細い。

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北西の風を避けるようにハイマツ帯の南側に群生するチングルマ。

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タカネシオガマ(高嶺塩釜)は、ゴマノハグサ科シオガマギク属の一年草。
北海道・本州(中部以北)の高山帯に分布し、砂礫地や草地に生える。
よく似るミヤマシオガマの葉は、シダのような細かく裂ける。
湿原が好みのタテヤマリンドウは砂礫地にも咲いている。

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湿原に咲いていたハクサンチドリとヒメシャクナゲも点在。

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イワカガミもポツポツと咲いている。
ショウジョウバカマ(猩々袴)は、ユリ科ショウジョウバカマ属の多年草。
名前の由来は花を猩々の赤い顔に、葉の重なりを袴に見立たてたもの。
四国のショウジョウバカマは概ねピンクでこんなに赤くならない。

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7時31分、山頂まであと少し。

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7時40分、山ノ鼻から2時間40分(休憩含む)で山頂到着。

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至仏山頂北西面は意外と岩がゴツゴツしている。
<基準点の概要>
●基準点コード:TR25539218301
●等級種別:二等三角点
●冠字選点番号:暑7
●基準点名:至仏山
●標高:2228.1m

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気持ちいいー!

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北東方向に山ノ鼻北側の八海山(背中アブリ山)山麓の背中アブリ田代。

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8時01分に山頂を出発。 振り返って鳩待峠への下山路から見る至仏山。

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前方のピークは小至仏山(標高点 2162m)。

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前方右奥には笠ヶ岳(三等三角点 [笠ヶ岳] 2057.5m)。

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小至仏山と笠ヶ岳。

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タカネシュロソウ(高嶺棕櫚草)は、ユリ科シュロソウ属の多年草。
分布は至仏山と笠ヶ岳で別名をムラサキタカネアオヤギソウ(紫高嶺青柳草)という(長い・・・)。
近所の三嶺で見かけるホソバシュロソウより色は明るい。
タカネバラはほぼ終了。

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8時39分、小至仏山山頂に到着!

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「ヤマネチ!」 久しぶりのヤマネチに動揺している・・・。
ということもないが、ギャラリーが気になる (^^;)

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あとは前方の尾根を東に向かって下る。
至仏山を山ノ鼻から登ると、山頂まで西向きで山頂から南向き、オヤマ沢田代から東向きとなりUターンする感じのコースとなる。

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シナノキンバイ(信濃金梅)は、キンポウゲ科キンバイソウ属の多年草。
北海道・本州(中部以北)の高山帯に生える高山植物でキンポウゲ科の中では花が全体に大柄でよく目立つ(この花も割と好きだな)。

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再びイカリソウ。 今度は赤い縁取りがある緑の葉。

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9時18分、尾瀬ヶ原と噴煙を上げているかのような燧ヶ岳。

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笠ヶ岳へのコースを右に分けるとすぐオヤマ沢田代に入る。

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花をたくさんつけてゴージャスなイワカガミとシラネアオイ
シラネアオイ(白根葵)は、キンポウゲ科(シラネアオイ科とされることもある)シラネアオイ属の多年草で日本固有種の1属1種。
花弁はなく、花片に見える淡い紫色の大きな萼片が4枚ある。
花言葉は、「優美・完全な美」

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前方に燧ヶ岳を見ながら鳩待峠に向かって下る。

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初めて見た葉脈が赤紫色の名前の分からないスミレ(左)。
ジュエリーのように綺麗なマイヅルソウ。

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10時40分、鳩待峠の至仏山登山口にゴール!

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登山者やハイカーで賑わう鳩待峠休憩所。
群馬県片品村の津奈木〜鳩待峠口間は、登山シーズンの交通規制が行われているのでマイカーと二輪車の乗り入れが制限されている。

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幅員が狭く急カーブが連続するため7mを超える車両の通行はできない。
登山者は戸倉から乗合バスやタクシー、マイクロバスなどを利用する。
後方に至仏山が見える。

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ツアー参加者が下山するまで至仏山を眺めながらビール。
昼食にはカツカレー。

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鳩待峠から関越交通の貸切輸送を利用し、戸倉で四国観光バスに乗り換え。

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登山の汗を流しに寄ったのは、望郷の湯
■大自然の贈り物・白沢高原温泉■ 
「望郷の湯」「道の駅・白沢」「座・白沢(農産物等直売所)」
〒378-0125 群馬県沼田市白沢町平出1297番地
電話0278-53-3939

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風呂上がりのビールはたまらん。
2度目の昼食は、「“奥利根もち豚”冷しゃぶうどん」 900円也。
これ、けっこういける (*^_^*)
次に寄る機会があったら、「また食べたい!」 なのだ。

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バスの中での夕食は養老SAで買った天むす弁当。
高松で乗り換えてシャトルの高知到着は月曜日の早朝2時頃だった。
3時間ほど睡眠をとって仕事へ出たが、バスの中でよく寝たので平気だった。
3日と少々で尾瀬と2つの百名山を楽しめるお手頃ツアーの利用価値は大きい。
遥かな尾瀬〜遠い空〜♪

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三嶺さんぽくらぶ

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